馬主になりたい方必読
ウマ娘プリティダービーの空前の大ヒットにより、競馬にスポットライトが当たっている昨今ですが、その競馬を走るサラブレッドを持ってみたいと思いませんか?日本で選ばれし人しかなれないという「馬主」になりたいという人に向けて馬主の魅力を語らせていただきます。
中央競馬と地方競馬
日本の競馬は大きく2種類あります。1つは皆さんがテレビなどでよく目にし、「有馬記念」という競馬を知らない人でも一度は聞いたことあるレースを開催している主催者である日本中央競馬会(JRA)、通称「中央競馬」です。そしてもう一つはあまりご存知ないでしょうが、地方競馬全国協会(NAR)が主催しております、通称「地方競馬」です。ウマ娘などで一躍有名となったオグリキャップという馬はこの地方競馬の中の一つの競馬場である岐阜県の笠松競馬場でデビューした馬です。
競馬に関わる人々
競馬は国に認められた公営ギャンブルです。ですが、ギャンブルとしての魅力よりもサラブレッドの美しい姿や、またそのサラブレッドに跨る騎手のファンなども多く、競馬に携わる人々も魅力的です。サラブレッドを保有しているのは「馬主」と呼ばれる人たちです。ディープインパクトなどを所有した金子真人オーナー(株式会社図研代表取締役)やキタサンブラックの北島三郎オーナー(演歌歌手)、そしてウマ娘で話題の藤田晋オーナー(株式会社サイバーエージェント代表取締役)などです。そして、そのサラブレッド達を管理するのが調教師と呼ばれる人たちです。調教師はそれぞれ自分の厩舎を運営し、厩務員と呼ばれる従業員を雇っています。この厩舎が一丸となってサラブレッドがレースに出走できるよう調教(競走馬のトレーニング)を行います。そして、そのサラブレッド達を生む人たちが生産者、生産牧場です。自分で所有している繁殖牝馬と活躍して種牡馬となったサラブレッド達との配合を血統背景から考え、種付けをすることで生まれてきたのがサラブレッドなのです。
馬主になる条件
日本で馬主になるためには、馬主資格が必要です。そこで、ここでは馬主資格を取得する条件を説明します。
中央競馬と地方競馬の馬主資格取得条件
中央競馬は1700万の所得、7500万の資産保有というのが取得条件でして、なかなか厳しいです、、、ところが、地方競馬は500万の所得があれば取得可能なのです!サラリーマンの方でも十分に資格を取得できる、つまり馬主になれるということです。また個人だけでなく、法人、組合という形であれば3人以上で所得がそれぞれ300万あれば馬主資格を取得することができます。それぞれの資格取得の条件は以下の通りです。
地方競馬
(1)個人
原則として、直近年における所得金額が500万円以上であること。
(収入ではなく所得となります)
(2)法人
① 払込済資本金又は履行済出資の総額が300万円以上であること。
② 直近2か年の決算が連続して赤字となっていないこと。
③ 直近の決算において債務超過となっていないこと。
④ 法人の代表者の年間の所得金額が、(1)個人の経済的要件を満たしていること。
(3)組合
① 組合名義(代表者氏名を併記したもの)で300万円以上の定期預金があること。
② 原則として、組合員各々の直近年における所得金額が300万円以上であること。
(収入ではなく所得となります)
※申請から登録までの期間:約3~5カ月
中央競馬
(1)個人
1) 今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも1,700万円以上あること。
2) 継続的に保有する資産の額が7,500万円以上あること。
(2)法人
1)資本金または出資の額が1,000万円以上であること
2)申請法人の代表権を持つ役員であること。
3)申請法人の資本金または出資の額の50%以上を出資していること。
4)今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも1,700万円以上あること。
5)継続的に保有する資産の額が7,500万円以上あること。
6)すでに中央競馬の個人馬主であること。
(3)組合
1) 組合員数が3名以上10名以下であること。
2) 組合員全員について、今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも900万円以上あること。
3) 組合財産として1,000万円以上の預貯金があること。
4) 組合員のうちに、個人馬主・法人馬主の代表者又は他の組合馬主の組合員が含まれていないこと。
※申請から登録までの期間:約4~5カ月
馬主資格申請の流れ
馬主資格を申請して馬主になるまでにはいくつかの手続きが必要となります。
流れとしては以下の通りです。
・申請用の書類を揃える
・NAR、JRAに書類を提出
・審査(3~5カ月)
・合否結果
申請には馬主登録申請書の他に印鑑証明書、身分証明書、戸籍謄本などが必要になってきます。必要書類はこちらをご覧ください。
馬主登録申請書を記入する際、一つ困ったことがあります。預託予定の調教師名を記入する欄があるのです。知り合いに調教師がいるという方は滅多にいないと思います。その際はぜひUMAUMAにご相談くださいませ。
また、馬主資格取得に必要な書類、記入など馬主資格申請をご希望の方はお手伝いさせていただきますので、こちらにお申込みください。
サラブレッド(競走馬)を手に入れるには
ここではサラブレッドを入手するための方法についてご説明させていただきます。
サラブレッド(競走馬)の価格
馬の相場価格は幅広く、下は200万円以下、上は億越えとピンキリです。
では馬の価格はどういった観点で評価されるのかというと、一言でいえばその馬が持つ血統と馬体です。その2つが良い馬は価格が高くなります。
サラブレッド(競走馬)の購入方法3パターン
みなさんが馬主になるために、馬を買うという際、イメージされるのはデビュー競走馬がレースにデビューするのは早くても2歳の4月なので、それまでの0歳馬(当歳馬)、1歳馬、2歳馬を購入することになります。そこで競走馬の購入方法は大きく3つあります。
市場取引:通称「セリ」と言われるものです。その名の通り、上場される競走馬をセリ方式で最も高い金額を提示した人が落札者となります。当歳市場、1歳市場、2歳市場とそれぞれあり、多数の競走馬が上場されるので比較展示などがセリ前に行われ、比較検討が可能な点が魅力です。しかし、良い馬は総じて価格が吊り上がるため、欲しい馬を入手するには相当な資金力が必要となります。
庭先取引:サラブレッドの生産を行っている生産牧場から直接購入することのことです。価格が合えばどうしても欲しいという馬を購入することが出来るのが魅力です。しかし、庭先取引は牧場の方と直接交渉が必要のため、知識や人脈がないと非常に難易度が高いです。
オンライン購入:サラブレッドの購入は手間がかかります。そこでオンラインで簡単に購入することができる方法もあります。UMAUMAでは多数の生産牧場様から出品いただいたサラブレッドを会員制サイトにおいてサラブレッドの写真、動画、詳細な情報と即決価格を掲載し、販売しておりますので、ボタン一つで購入が可能です。購入後の保険加入やアフターケアについてもサポートさせていただきますのでご覧ください。
馬主の収入と支出
サラブレッドは犬や猫のようなペットと違う点として、第一に経済動物です。後ほど説明しますが、一口馬主のクラブに入会して、出資するという形もあり、その場合は金融商品の扱いになります。サラブレッドがレースで良い成績を収めると馬主に賞金が入ります。これは馬主の大きな魅力です。ただその分、馬は維持費もかかります。ここでは馬主の収入と支出について説明します。
馬主の収入
馬主になった際の主な収入は大きく2つです。1つは愛馬がレースで勝った際に獲得した賞金、2つ目は愛馬がレースに出走した際の手当です。例えば中央競馬だと、新馬戦(デビュー戦)で愛馬が1着になると賞金700万円を獲得します。この時、馬主には賞金の8割が入ってきます。現在の中央競馬のレースで一番高い賞金は4億円です。テイエムオペラオーという馬は市場取引で1050万で購入されましたが、生涯獲得賞金は何と約18億円。またキタサンブラックという馬に至っては庭先取引で約300万で購入され、生涯獲得賞金は約19億円。ここが馬主になることの大きな魅力ではないでしょうか。また勝たなくても賞金は入ります。5着以内であれば基本的にそのレースのランクに合わせて賞金が入ります。場合によっては5着以下の着順でも賞金をもらえる条件もあります。2つ目ですが、賞金以外にもレースに出走することで出走手当を必ずもらうことができます。中央競馬だと約40万の出走手当が入ります。地方競馬でも預託料の半額以上の手当がもらえることがほとんどですので月2走以上すれば、この後説明する毎月の預託料(サラブレッドの維持費)を補うことができます。他にも様々な手当が競馬場ごとにありますので、順調に行けば、実は意外と損はしないのです。
馬主の支出
馬の購入方法についてでも出てきた競走馬の維持費ですが、改めてここで詳細に説明したいと思います。競走馬を購入した後、犬や猫のように自宅で飼うには広大な敷地、飼料が必要です。なので当歳馬、1歳馬は購入後、生産牧場にて預託することになります。そうやって預かってくれる牧場に支払うお金が「預託料」です。生産牧場で預託し、大体1歳の夏ごろになると、競走馬として競馬場を走るために訓練を行ってくれる育成牧場の方へ移動します。実際に人を乗せたりするのはここで初めて行われます。
そして十分に訓練を積んだ後、調教師から声がかかることで実際に競馬場の厩舎へ移動となります。ここでデビューに向けて調整が行われます。デビュー後は基本的には厩舎で預託しますが、馬を休ませたい際は放牧という形で外厩、休養牧場と言い方は色々あるのですが、そういった牧場へと移動させることが多いです。先に述べた育成牧場と同じイメージをしてもらえたらと思います。
それぞれの預託料ですが、生産牧場はそこまで預託料に差はないのですが、育成牧場、厩舎は場所によって価格が大きく異なります。特に厩舎ですが、中央競馬の厩舎は基本的にはどの厩舎に預けても違いはありますが、月60万以上です。それに対して地方競馬の厩舎は競馬場の場所によって大きく異なります。一番高いのは大井競馬場(東京)、佐賀、笠松(岐阜)競馬場などは10万円台と非常にリーズナブルな場所もあります。
■預託料の相場価格(月額)
生産牧場:10万~15万
育成牧場(外厩・休養):20万~40万 ※休養牧場の場合は月額10万円台の場所も多い
厩舎(中央競馬):60万~
厩舎(地方競馬):12万~45万
賞金獲得以外にも馬主になると嬉しいことが
馬主になると賞金以外にも日常では体験できないような非日常が体験できます。サラブレッドを所有することで新たな人脈が構築できるのも私は大きな魅力だと考えております。ここでは馬主になった人にしか与えられていない特典をご紹介します。
馬主席の利用
馬主になると、馬主の方しか入場が出来ない馬主席に無料で入ることが出来ます。一般席と異なり、ラグジュアリー感のある馬主席がそれぞれの競馬場に用意されておりますので、特別な非日常を味わうことが出来ます。また自分の家族や友人を招待することも可能です。愛馬の応援を親しい方と楽しむのも馬主の醍醐味です。
口取り写真撮影
愛馬が1着でゴール板を駆け抜けた時の嬉しさ、高揚感はお金で買えない特別なものだと馬主の皆さんは口を揃えます。1着でゴールした後、口取り式というものが行われます。馬の管理をする調教師、厩務員、騎手、馬主、そして勝利をプレゼントしてくれた愛馬と記念撮影を行います。口取り写真撮影がしたくて馬主をやっているという方がほとんどではないでしょうか。
愛馬に名前をつける
自分で飼っているペットと同じように、競走馬にも自分の好きな名前をつけることができます。競馬の面白いところはその自分でつけた愛馬の名前がレースの実況で呼ばれるのも一つの魅力です。
厩舎やトレーニングセンターへの出入り
愛馬が出走するには厩舎関係者、いわゆる担当調教師、厩務員の力が欠かせません。そしてその愛馬が普段過ごしている厩舎やレースに向けて調整を行っている「トレセン」と言われる場所に馬主は入ることが出来ます。
5頭以上所有していると事業化できる
競走馬は5頭以上所有していると条件によっては事業化することが出来ます。これが何を意味するのかというと自分の本業に合算して事業所得とすることが出来るのです。これは大きな節税対策になると思います。以下に細かな条件の一部を記載します。
(1)保有頭数による判定
①その年において、登録期間が6カ月以上である競走馬を5頭以上保有している場合
②その年以前3年以内の各年において、登録期間が6カ月以上の競走馬を2頭以上保有し、かつ、その年の前年以前3年以内のうちに、競走馬の保有に係る所得の金額が黒字の金額である年が1年以上ある場合
(2)出走回数による判定
その年の前3年間の各年において競馬賞金等の収入があり、その各年のうち年間5回以上(2歳馬については年間3回以上)出走している競走馬を保有する年が1年以上ある場合
※事業所得として認められためには、日本中央競馬会や各地方競馬組合が発行する証明書の添付が必要となります。
費用を抑えて馬主になる3つの方法
ここまで新馬の購入方法、馬主になった際の支出について説明してきましたが、1頭を所有して馬主として活動していくには多額の費用が必要となります。そこで費用を抑えて馬主になる3つの方法をご紹介させていただきます。
現役馬の購入
新馬というのは購入してからデビューするまで維持費がかかり、その上レースに出走するわけではないので月々数十万というお金が財布から出ていきます。そこで購入した馬をすぐに走らせる手段として現役馬を購入するという方法もあります。
現役馬:すでに中央競馬、地方競馬で走っている名前の付いた馬を購入する方法です。現在の方法としては知人の馬主から譲り受けるか、楽天サラブレッドオークションなどを利用して購入することが多いです。UMAUMAでも現役馬販売を行っていますので、まず地方馬主からスタートされる方は現役馬から始めるとデビューまでの育成費がかかりませんのでオススメです。
UMAUMAでは現役馬の販売も行っております。預託先のご相談などありましたらぜひご連絡くださいませ。
一口馬主
いや、そもそも馬主資格の要件を満たしていないという方、朗報です。誰でも馬主になる方法としてあるのが一口馬主です。クラブと呼ばれる法人が、1頭のサラブレッドを40〜500口程度に分割して出資を募集するというシステムです。なので金融商品として扱われます。会員は所属するクラブの募集馬を選択して一口単位で出資を行い、さらにえさ代等の維持費を毎月口数に応じて支払う代わりに、レースで獲得した賞金の約60~70%程度を出資口数に応じて受け取ることが可能です。とはいえ馬主資格を所有しているわけではないので馬主の特典というものはありませんが、クラブによっては出資馬の見学に牧場を訪問できたり、抽選ではありますが、出資馬の命名権や口取り式への参加が可能な場合もあります。ただそれ以外の競馬関係者との関わり、レース選択など馬主としての醍醐味を味わうことは出来ませんので、馬主になりたい、馬主しかできないことを楽しみたいという方にはオススメできません。所得500万を目指して頑張りましょう。
共有馬主
とはいえ、やはり馬主資格を満たした馬主になりたい、ただ1頭持ちを出来る余裕はないという方へ朗報です。
1頭のサラブレッドを仲間で共有して保有するという形があります。
共同保有:代表馬主を選定し、馬主資格を保有している方のみ、1頭の競走馬を共同で所有することが可能です。中央競馬だと10口以下、地方競馬だと20口以下で共有が可能です。これにより毎月の預託料などの維持費を軽減することが出来ます。
共有馬主は馬主資格を保有しているので馬主の特典を利用することが可能です。費用を抑えつつ、愛馬の応援を仲間で行う事の出来る非常にオススメできる馬主活動です。
関係各所連絡先
JRA馬主登録課
電話番号 03-3591-5251(代表)
馬主申請Q&A NAR(地方競馬全国協会)
地方競馬全国協会登録課
〒106-8639 東京都港区麻布台2-2-1
TEL:03-6441-3370
大変興味深く拝見いたしました。
質問をさせて頂きたいのですがわ5頭以上保有していると事業化できるというところで、登録来てから6ヶ月というところがありましたが、この登録はどこにどうやってするものですか?主人が地方の馬主で、まだクラブの共有馬しかおらず、これから一頭持ちをしていきたいと思いいろいろとあたっています。